極上と言われる明石の鯛とSimplicitéの相原シェフ

日本はもちろん、寿司と刺身だけの国ではない。

長い列島の島国であるが故に、海流も多様。故に水面下の環境が多様で、多くの多様な魚介類を育ててきた。それが各地で多様な調理の仕方を生み出し、その個性を消費者が大切にしてきた歴史が、ここ数十年のハイテク流通の開発の背景となり、非常に状態の良い魚が都会の料理人のまな板の上にも乗る環境を支えている。

そうしたsea food 列島でも、「明石の鯛」は日本一とも言われる白身魚のブランドだ。瀬戸内海に面した明石の海は、魚の身が引き締まるのに良い条件としての潮の流れの速さ、そして鯛の上品な味を支えるその餌としての甲殻類の豊富さで知られる。そこで水揚げされる鯛は、特定の仲買人しか扱うことができず、しっかりとクオリティが管理されている。


明石港の競りは全国各地の港でもあまり見ることのない、一匹ずつ魚を台の上に流して見せて、それを競るスタイルになっている。「明石の鯛」ブランドのプライドなのかもしれない。 


東京代官山でしっかり寝かせ熟成させた魚を屈指しての繊細なフランス料理で人気(Michelin一つ星)のSimpliciteの相原シェフは、そうした明石の鯛をもっともコンテンポラリーに扱う料理人の一人だ。普段から、3~4日週間寝かせ熟成さてた魚などをたくみに料理してくるシェフが、秋になって旨味の増したMomiji-DAI ( Autumn Leaf Dorade)を、自ら明石に出向いてその状態を見極め調理してくれた様子を、このクリップは紹介している。


相原シェフの魚を熟成させて旨味をさらに引き出す調理は、状態が極め付けに良い新鮮な魚があってこそできることと自覚し、それが故に明石の港とそこに生きる人々との信頼関係を大事にしていきたいと考えている。

動画リンク:

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